住み替えのタイミングに悩んでいませんか。ライフステージ・資産・市場という3つの視点から、後悔しない住み替えの見極め方と進め方をわかりやすく解説します。

住み替えを考え始めるきっかけ、実は「今」かもしれません

タカマツハウス

タカマツハウスが2026年6月に行った調査では、1都3県に住む20〜50代のうち、5年以内に住宅購入を検討している人は約3割にのぼり、その内訳は「初めての購入」が11.4%、「住み替え・買い増し」が15.2%と、住み替え・買い増しを検討する層が初めて購入する層を上回っています¹⁾。

「住み替えなんてまだ先の話」と考えている方も多いかもしれませんが、実際には住宅購入を考える人のなかで、住み替えや買い増しを検討している層は決して少なくありません。ここでは、住み替えを考え始めるきっかけとして多いパターンを見ていきましょう。

ライフステージの変化は住み替えの一番のサイン

住み替えを検討する最大のきっかけは、子どもの誕生・成長や転勤・退職といった「ライフステージの変化」です。国土交通省の調査では、住宅を取得した世帯のうち、分譲戸建住宅では66.7%、注文住宅では54.6%、既存戸建住宅でも43.8%が子育て世帯だったと報告されています²⁾。

子どもの成長にともなって「部屋数が足りない」「学校までの距離が気になる」と感じ始めることが、住み替えを考える大きなきっかけになっているといえるでしょう。転勤や退職、家族構成の変化なども同様に、暮らし方そのものが変わるタイミングとして意識しておきたいポイントです。

家の資産価値は築年数とともに変わっていく

住み替えのタイミングを考えるうえでは、ライフステージだけでなく「今の家の資産価値」にも目を向ける必要があります。一般的に木造の戸建て住宅は、築20〜25年程度で建物自体の評価額がほぼゼロとみなされる査定の慣行があるとされています³⁾。

つまり、建物の価値がまだ残っている築浅の時期に動くほうが、売却時に有利になる場合があるということです。また、分譲マンションを選ぶ際に「立地環境が良かったから」を理由に挙げる世帯の割合は、調査年度によって61.3%から69.4%まで上昇しており⁴⁾、資産価値を保つうえで立地の重要性が高まっていることもうかがえます。

「なんとなく気になる」も立派なタイミング

「まだ本気で考えていないけれど、ふと気になる」という段階も、住み替えを考え始める立派なタイミングです。明確なきっかけがなくても、通勤時間や周辺環境への小さな違和感が積み重なって、住み替えの検討につながることは少なくありません。

焦って動く必要はありませんが、気になったタイミングで情報収集を始めておくと、いざ具体的な理由が生まれたときにスムーズに判断しやすくなります。

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住み替えタイミングを見極める3つの判断軸

プランナーに相談する若い夫婦

きっかけとなる出来事や資産価値の変化を理解したところで、次に整理したいのが「実際にいつ動くか」を判断するための軸です。ここでは、住み替えのタイミングを見極めるうえで意識したい3つの視点を紹介します。

①ライフスタイル:暮らし方の変化に合っているか

一つ目の軸は、今の暮らし方が今の住まいに合っているかどうかです。通勤・通学のしやすさ、間取りの使い勝手、近隣との人付き合いなど、暮らしの実感に近い項目を一度洗い出してみましょう。「なんとなく狭い」「駅から遠く感じる」といった小さな違和感も、暮らし方の変化を示すサインの場合があります。

②資産:今の家と新居、双方の資産価値はどうか

二つ目の軸は、今の家と、これから住む家双方の資産価値です。前の章で触れたように、建物の価値は築年数とともに下がっていく傾向があるとされています³⁾。今の家をできるだけ良い条件で売却したいのであれば、資産価値が大きく下がる前に動くという考え方も一つの目安になります。反対に新居についても、立地や将来の資産性を意識して選ぶことで⁴⁾、次の住み替えの際にも選択肢を残しやすくなります。

③市場:地価や住宅市場の動きはどうか

三つ目の軸は、地価や住宅市場全体の動きです。住宅の購入価格や取引のしやすさは、地域や時期によって変動する場合があります。金利や市場全体の動向によっても、住み替えのしやすさは変わってくるでしょう。個人の判断だけでは把握しづらい部分もあるため、地域の情報に詳しい専門家に相談しながら情報を集めるのがおすすめです。

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売り先行・買い先行・売買同時並行、どの進め方が合っている?

不動産の間取りの打ち合わせをするアジア人ビジネスパーソン

「今の家を売ってから新居を買うべきか、先に新居を決めるべきか」、住み替えを考えたとき、多くの方が最初に迷うのが、この進め方の順番です。それぞれの特徴を見ていきましょう。

売り先行のメリットと注意点

売り先行とは、今の家を売却したあとに新居を購入する進め方です。売却代金を新居の購入資金に充てやすく、資金計画を立てやすいのがメリットといえます。一方で、売却から新居の引き渡しまでの間に仮住まいが必要になる場合があり、引っ越しの回数や仮住まいにかかる費用がかさむ可能性がある点には注意が必要です。

買い先行のメリットと注意点

買い先行とは、先に新居を購入し、そのあとに今の家を売却する進め方です。仮住まいが不要で、じっくり新居を探せる点がメリットです。一方で、今の家の売却が完了する前に新居のローンが始まる場合、一時的に二つのローンを抱える「ダブルローン」の状態になる可能性があるため、資金計画には注意しておきたいところです。

売買同時並行という選択肢

売却と購入をできるだけ同時期に進める「売買同時並行」という方法もあります。仮住まいやダブルローンのリスクを抑えやすい一方で、売却と購入のタイミングを細かく調整する必要があり、不動産会社との連携が重要になります。どの進め方が合っているかは、資金状況やスケジュールの希望によって変わるため、早い段階で相談しておくと選択肢を広げやすくなるでしょう。

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住み替えで後悔しないために気をつけたいこと

住宅とお金の問題イメージ

「もっと早く動いていれば」「もう少し待てばよかった」、住み替えを終えた人の声には、タイミングに関する後悔が少なくないともいわれています。最後に、後悔を防ぐために気をつけたいポイントを整理します。

「なんとなく」で動くと起きやすい失敗

明確な理由や条件を整理せずに動き始めると、後悔につながりやすくなります。「とりあえず良さそうな物件があったから」と契約を急いでしまい、あとから通勤時間や周辺環境に不満を感じるケースは少なくありません。前の章で紹介した3つの判断軸を一度整理してから動き出すことで、こうした後悔を減らしやすくなるでしょう。

資金計画とダブルローンのリスク

資金計画を後回しにすると、想定外の負担につながることがあります。特に買い先行を選ぶ場合は、今の家の売却が長引くと、新居と旧居のローンを同時に抱える「ダブルローン」の状態が続く可能性があります。売却の見通しが立ちにくい時期には、無理に買い先行を選ばず、売り先行や同時並行も含めて検討する余地を残しておくと安心です。

住み替えのタイミングは「次にどう暮らしたいか」から逆算して考えよう

住み替えのタイミングに「絶対の正解」はありません。ライフステージの変化や資産価値の推移は大切な判断材料ですが、それ以上に大切なのは「次はどんな暮らしを実現したいか」という視点です。焦らず、しかし機を逃さず、3つの判断軸を手がかりに、自分たちらしいタイミングを見極めていきましょう。

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出典・参考元

引用文献

¹⁾ タカマツハウス株式会社「生活者が求める希少性と首都圏の稀立地(マレリッチ)に関する調査」(2026年7月23日) 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000132218.html

²⁾ 国土交通省「令和5年度住宅市場動向調査の結果概要」 https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001757418.pdf

³⁾ 国土交通省「中古住宅に係る建物評価手法の改善の方向性について」 https://www.mlit.go.jp/common/001023776.pdf

⁴⁾ 国土交通省「令和2年度住宅市場動向調査の結果概要」 https://www.mlit.go.jp/common/001401313.pdf